うつ病の私が経験したオープン就労とクローズ就労の良い点・悪い点|オープン就労・クローズ就労体験談 | ニューロワークス

うつ病の私が経験したオープン就労とクローズ就労の良い点・悪い点|オープン就労・クローズ就労体験談

※写真はイメージです。

今回はうつ病と診断されたのち、派遣社員にてクローズ就労を4年、その後嘱託社員としてオープン就労を9カ月経験されたF.U様に、それぞれのメリット・デメリットを伺いました。(生活習慣を改善しながら就労を目指す「就労移行支援事業所」の資料請求はコチラから

1.最初は迷わずクローズ就労を選択

最初に職場復帰をする際は迷わずクローズ就労を選択しました。

10年以上前の出来事で、まだその頃はうつ病があまり認知されておらず、障害者雇用での採用も身体障害者だけが対象になっているものだと信じていたため、オープン就労について調べることもしませんでした。また、当時は親ですら私がうつ病であることを受け入れず隠そうとしていたため、隠して就職するのが当然のこととしか思えなかったのです。当時の私にはクローズ就労をするという選択肢しかありませんでした。

当時は派遣社員として派遣先を変えながら4年ほど勤務しました。業務内容はOA機器操作などの事務職が多く、年収は201~400万円程度、月~金のフルタイムで働いていました。残業も1日1時間ほどありました。

派遣先を変更する際は都度、面接がありました。その際はなるべく落ち着いて、できる限り笑顔で受け答えをし、精神的に弱そうに見られないよう心掛けました。
受け答えやマナーにミスがないよう、自宅で一人で面接練習にも励みました。「元気そうだね」と面接官に言われたら「はい!」と空元気を出して答えていました。

2.クローズ就労のメリット・デメリット

他の人と同じだけのお給料をいただけることは何よりのメリットでした。

ブランド物も大好きだったので、貯金をしながらでも買いたい物が買えました。ある程度満足のいくおしゃれを楽しむことができたと思います。それから、障害を開示していなかったため、避けられたり腫れ物に触るような態度をとられることもなかったのは良かったです。

一方デメリットは、どんなにつらくてもその気持ちを誰にも打ち明けることができず、自己処理しないといけない点です。

気分が浮かない日でも、会社に行けば営業スマイルで元気があるようにふるまい、病気で塞ぎ込んでいることに気づかれないよう対応しなければならないことが、精神的に辛かったです。同僚に「元気がなさそう」と言われても、冗談を言って切り返すなど無理がありました。(支援員とともに就労を目指す「就労移行支援事業所」の資料請求はコチラから

3.クローズ就労からオープン就労への転職を決意

クローズ就労では派遣先を変えながら複数社で働くも、いずれの職場でも最終的にはうつ病の症状がひどくなって働ける状態ではなくなるので、思い切って一度オープン枠で働いてみたいと思い、転職を決意しました。

オープン就労にすると給与が下がるので、生活できるかどうか不安もあり、決意するまでには迷いもありました。ですが、うつ病というハンデを抱えながら通常量の仕事やストレスが加わると、結局はどの会社で働いてもうつの症状がひどくなります。

オープン就労にすると給与は低くなりますが、その分飲み会の拒否など人付き合いの面で大目に見てもらえたり、仕事量や業務内容も配慮してもらえる気がして、それで応募を決意しました。ストレスが少なくなれば心に余裕がでるかと思い決断できました。

4.オープン就労で就職

オープン就労での選考は、窓口になってくれたハローワークの職員の人と一緒に会場に行きました。その際、一番ひどい時のうつの症状は言わないように言われました。
また、現在はうつ病が落ち着いている状態なので働ける意思を告げるようアドバイスをもらい、面接時はその2点を意識していました。

その他、姿勢を正し丁寧に質問に答えることを頭におき面接に臨みました。

その結果、ご縁をいただき、人材業界にて嘱託社員として勤務が決まりました。当時の業務は受付や電話応対、パソコン入力などの事務職で、月~金の9時~17時まで働きました。残業はほとんどなく、当時の年収は200万以下くらいでした。

5.オープン就労のメリット・デメリット

人間関係をうまく構築できない人間であるという点を理解してもらうにはオープン就労は良かったです。
以前の職場では、マウントを取ろうとする人、上から下まで毎日ファッションチェックをする人、嫌味なことを言ってきたりする人がいましたが、そのような人間関係での悩みは解消されました。
周りは優しい人たちばかりでその点ではやりやすかったように思います。
悩みがあると採用担当だった女性がよく話を聞いてくれたことも良い点でした。

一方、私がオープン就労をした勤務先では、精神疾患に関して知識がない方が多く、変な気の使われ方をしたり、理解を得られないことも多かったです。

ちょっとした仕事ができるとほめちぎられ違和感を感じることもありました。
簡単な仕事ができただけで上司が社長にまで言いにいった時は不快に感じました。

露骨に「精神病っていうともっと怖いイメージの人だと思った」と言われたこともあります。会社として精神疾患を抱える人たちの特徴について学んでいないようだったので、もっと勉強してから採用してほしいと思いました。

6.現在は個人事業主として勤務

現在は個人事業主として在宅ワークにて働いています。

在宅ワークですと、人とコミュニケーションを取ることが少なく、人間関係を意識せずに仕事ができるのが幸せです。
仕事のノルマもなく、勤務時間も自由に調整できるので、ストレスを感じることなく業務を遂行できます。

また通勤が非常に苦痛でしたが、通勤時間も自分の時間に使えることで、ますますやりたいことに時間をさけるようになり充実した日々を過ごせています。

給与は、自分の努力次第で良くも悪くもなるので達成感を感じることができます。

今の仕事に移ってからは一度もうつ病を発症しておらず満足しています。

7.最後にオープン就労・クローズ就労で迷っている方に一言

現在は精神疾患に関してもう少し理解も深まっているように思います。なので、金銭的にやりくりできる範囲の募集があればオープン就労をしてみるのがよいかもしれません。

オープン就労をする場合は、精神障害者の採用に慣れている企業かどうか、理解のある企業かどうか見極め、入社を決めることをおすすめします。

採用実績のある企業であれば、就職後も理解ある人たちに恵まれ気を使うこともなく働けるように思います。(「就労移行支援事業所」の見学をご希望の方はコチラから

(写真素材:PIXTA、photoAC)

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