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うつ病で休職中|転職も検討する場合はどうするの?

うつ病で休職された方は職場復帰をされる方もいますが、もちろん、他の会社へ転職するという道を選択する人もいます。それでは、どのようなときに転職を選択すればよいのでしょうか。今回はうつ病で休職した場合、職場復帰を選ぶべきか、転職を選ぶべきかについて考えてみたいと思います。

目次

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1.うつ病で休職中、転職と復職どちらが一般的なの?

うつ病で休職中、転職と復職どちらが一般的なの?

休職後、復職する人と退職する人はどちらが多いの?

2014年に独立行政法人労働政策研究・研修機構が、メンタルで休職した社員のうち42%が休職期間中、あるいは復職後に退職に至ると報告しています。
この報告から考えると、おおよそ、休職者のうち約半分の人が現在の職場に留まらないという選択をしているといえるでしょう。

退職を選択する理由は1つではありません。
例えば、休職前から仕事内容に不満を覚えていた、現在の職場では業務量や難易度をコントロールすることが困難でうつ病が再発する懸念があったというように、様々な理由で職場復帰ではなく、退職という選択をされています。

このように職場復帰を選ぶか退職を選ぶかは、どちらを選択する人が多い、どちらを選択した方が良いとは一概にはいえない問題であるため、休職者が自身の状況に合わせて選択するとよいでしょう。

休職期間中に転職活動はしてもいいの?

それでは、職場復帰ではなく、退職という選択をする場合、休職期間中に転職活動は実施してもよいのでしょうか。

そもそも休職という制度は、ケガや病気の社員がまた会社で働けるようになるための療養期間として与えられた休暇です。当然ではありますが、このため休職期間中は転職活動よりもうつ病の治療を優先すべきでしょう。

一方で、うつ病の症状が回復にむかうと、うつ病が再発しないように、どうして休職にいたったのか、その原因を明確にして対策を講じる必要があります。
もし、うつ病の原因が職場にあり、会社と相談しても環境を変えることができないのであれば、転職も視野にいれた準備を休職期間中にすることも必要になってくるでしょう。

 

2.復職かそれとも転職か、判断すべきポイントとタイミングは?

復職かそれとも転職か、判断すべきポイントとタイミングは?

復職・転職どちらが良いのか判断すべきポイントとは?

復職か転職かを判断するために、まずはどうして休職にいたったのか原因分析をしっかりとしましょう。
職場の人間関係、仕事の量や責任の重さ……原因はさまざまだと思います。

休職の原因を明確にしたうえで、次にすべきことは、復職するときに休職した原因に対する対策を講じることができるかを検討することです。
何故なら、もし休職前と同じ状態の職場に戻れば、再び同じ原因でうつ病が再発してしまう可能性があるからです。
ひとりで振り返る作業は大変な場合もありますので、主治医やカウンセラーと相談する方法もおすすめです。

休職に至った原因を分析したら、復職前に人事や上司に自身が休職に至った理由を伝え、その原因に対する対策を一緒に考えるようにしましょう。

業務量の制限や、場合によっては職場の配置転換も含めて検討する必要があります。個人では解決できない問題も多いため、1人で悩まず企業に相談することが大切です。

また、「現在の職場のメリット、デメリット」「転職先の待遇」、「やりたい仕事」なども考えた結果、職場復帰ではなく転職という選択をする場合もあるでしょう。
その場合は、1人で求人情報を探すか、転職エージェント、すぐの転職が不安な方は障害者就労移行支援事業者などの専門機関に相談して転職先を探してみましょう。

休職後すぐの決断は危険、体調や生活リズムを整えてから考えよう

休職後すぐに転職活動を始めるのは非常に危険です。

転職活動では、「自分が何をしたいのか」、「自分のアピールポイントはなにか」などいろいろなことを考え、慣れない面接を繰り返す必要があります。

これは健康な状態でもストレスに感じることではないでしょうか。
ましてや、うつ状態のまま転職活動を始めるとストレスにより、うつ病の症状が悪化することも考えられます。
また、うつ状態のときは判断力が低下していることも多く、そのような状態で転職という大きな判断が必要となることに臨むのはおすすめできません。

それでは、うつ病の症状が治まればすぐに、転職活動を始めてもよいのでしょうか。

うつ病は睡眠障害を伴い、生活リズムが崩れてしまうことが多くあります。
また、休職期間が長いと予想以上に体力が落ちていることもあります。

せっかく転職が決まっても生活リズムが乱れ、体調が整わない状態で新しい会社での生活を始めると、仕事についていくことができず、再びうつ病が再発することも考えられます。

休職期間が長くなると焦る気持ちは強くなりますが、まずはうつ病を改善し、生活リズムや体調を整えることを第一優先としましょう。

 

3.休職中に行う転職活動の注意点

休職中に行う転職活動の注意点

現職へは伝えるべきなのか、転職活動のタイミングで退職すべきかどうか

現在の職場で特に転職活動をすることの報告が必要という規定がない場合は、転職活動をしていることをあえて伝える必要はないでしょう。

転職活動をしていることを職場に伝えてしまうと、途中で職場復帰したいと考えを変えたときに元の職場に戻りにくくなってしまうということがあるからです。

「すでに退職することは決めているから大丈夫」と思っている人もいるかもしれませんが、退職の決断は慎重にしなければなりません。

他社と比較したり、改めて自分の希望や職場復帰した場合のメリット、デメリットなどを考えてみたりするうちに、やはり「現職へ職場復帰したい」と考える人も少なくはないでしょう。
あまり、早期に退職を決意せず、じっくりと悩んでから決断するとよいでしょう。

採用面接のときに注意することは?

採用面接で一番気になる点といえば、うつ病で休職していることを伝える必要があるか、ないかでしょう。
そこで、休職したことを会社に伝えるメリットとデメリットについて考えてみましょう。

デメリットとしては会社が採用か不採用か判断するときに不利に働くことでしょう。
会社としては「また、休職してしまうのではないか」という不安感をもってしまう可能性があります。

休職について伝えるメリットもあります。
採用面接のときに自身の状態を伝えることで、会社から配慮してもらえる可能性があることです。

もちろん、メリットやデメリットに関わらず、面接時に休職期間について質問を受けた場合は虚偽の事実を伝えると職務経歴詐称にあたるため、うつ病で休職した事実を伝える必要があります。
しかし、職務経歴書はあくまで職務の経歴を記載するものであるため、率先して休職期間を記載する必要はありません。

面接時に自ら申告するかどうかは自身の状況を考えて判断するとよいでしょう。

動き出しのタイミングは?

転職か復職か、どちらを選ぶにしても動きだすタイミングはうつ病の症状が改善してから行うべきです。

うつ病のときはネガティブ思考になりやすく、判断力が鈍ってしまう場合があります。そのような状態のときに転職という重要事項を判断すると、うつ病から回復した後で後悔をする可能性もあるでしょう。

まずは病気の治療に専念し、復職するのか、転職するのか、また転職する場合はどのような会社に転職したいのかはうつ病が回復してから考えるとよいでしょう。

また、うつ病は周りの環境変化により症状が悪化する可能性の高い病気です。
うつ病が改善した直後に活動を始めると、慣れない転職活動によりうつ病が悪化する可能性もあります。
休職して早期に動きだすのではなく、まずは療養に専念してから、転職や復職にむけた活動を開始するようにしましょう。

転職活動の開始時期については医師に相談してみるのもよいでしょう。

転職活動をしてみて、やはり現職へ復職したい時はどうするの?

転職活動で他の会社を調べたり、面接を受けたりしていると、以前の会社の良さに気づくこともよくある話ではないでしょうか。

早期に退職して、転職活動を始めてしまうと、「会社に戻りたい」と思っても手遅れとなってしまいます。焦って会社を退職するのは危険といえるでしょう。

「復職したい」と思ったときに退職していなければ、職場復帰の仕方は通常の休職と同じです。

会社によって違いはありますが、一般的な職場復帰の方法をここではご紹介します。

まずは、会社に職場復帰の意思を伝えます。

次に、会社から主治医の診断書やそのほか必要な提出書類が求められるので提出します。
会社によっては主治医の診断書に加えて、産業医との面談が必要となる場合もあります。

そして、この主治医の診断書や産業医の意見などをもとに会社が休職者の職場復帰を判断します。

職場復帰が可能と判断されると、会社と休職者で復職プランを作成します。
復職プランの作成では、会社とよく相談して、職場復帰の時期や業務内容、就業時間などを具体的に決めていきます。

会社はこの復職プランも踏まえて、休職者が職場に復帰できるか最終判断をします。

ここで復職可能と判断されると職場に復帰できることになります。

 

4.復職か転職か迷う場合は、専門家に相談してみよう

復職か転職か迷う場合は、専門家に相談してみよう
復職か転職か、1人で判断するのは難しいものです。
そのようなときには、どちらがよいのか客観的な意見を専門家に相談してみるとよいでしょう。

転職エージェントや障害者就労移行支援施設では、1人ひとりのニーズに合った求人情報の提供、面接や履歴書、職務経歴書の対策など転職活動のサポートを行っています。

特に、障害者就労移行支援事業者では転職だけではなく、復職に向けた支援や転職のために必要なスキルアップ研修まで提供しているところもあります。

迷っている人は一度、相談してみることをおすすめいたします。

石上友梨 (臨床心理士)

監修 : 石上友梨 (臨床心理士)
大学・大学院と心理学を学び警視庁に入庁。
5万人の職員のメンタルヘルスを管理し、カウンセリングや心理検査、
メンタルヘルス講義、拳銃選手のメンタルトレーニングなどを実施。
現在はフリーランスとして心理学に関するライター活動も含めて
幅広く活動中。
Webサイト:https://cbt-yoga.com/

 

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参考文献
・http://kokoro.mhlw.go.jp/case/613/
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/juoeh/38/1/38_47/_pdf/-char/ja

写真素材:PIXTA、photoAC